福岡県立福岡高等視覚特別支援学校 専攻科研修科 学科案内(産業理療コース・再研修コース・情報コース) <連絡先> 住所:〒818-0014 福岡県筑紫野市牛島151番地 TEL:092-925-3053 FAX:092-925-5061 HP:http://fukuh-vss.fku.ed.jp МAIL:tsukamoto@fku.ed.jp(研修科教育相談担当) 1 目的に応じた3つのコース編成 〇 産業理療コース 産業衛生、スポーツ分野、高齢者医療等で自立するための実践的な知識や技能を身に付け、就労や治療院開業等を目指すアドバンスコースです。 〇 再研修コース 理療の基礎的・基本的な知識や技術の更なる向上を図り、生徒自身のニーズ等に合った就労や治療院開業等を目指すベーシックコースです。 〇 情報コース あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得に向けた学力を養成するとともに、基礎的・基本的な技能の向上を目指すコースです。 ※産業理療コース・再研修コースでは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかの資格を取得している方が対象となります。 ※全コース1年間の課程です。 ≪ 教科書について ≫ 産業理療コース・再研修コースでは、鍼灸手技療法に関する様々な専門書を教科書として採用しています。情報コースでは、国家試験の問題集や受験の参考書を教科書として採用しています。各種教科書はOCR処理を施したPDFファイルとしても提供することが可能です。音声パソコンやタブレット端末を活用して合理的に学習することができます。 ≪ 教科書の一例 ≫ 〇 産業理療コース・再研修コース ・鍼灸療法技術ガイド ・ID触診術 ・適切な判断を導くための整形外科徒手検査法 等 〇 情報コース ・国家試験対策解剖学マスター ・国家試験対策生理学マスター 等 2 実践的な研修内容 産業理療コース・再研修コースでは、専属教員だけでなく各専門分野の外部講師を招聘して講義・実習を行っています。 (1) 専属教員による講義・実習 〇 情報処理講座 パソコンを活用したカルテ作成など、就労や自主的な学びに応用できるパソコンの活用能力向上を目指します。視機能やニーズに応じてアクセシビリティを設定し、文書入力やデータ管理等の学習を中心に行います。また、タブレット端末の基本的な活用についても指導しています。 〇 基礎・臨床医学講座 機能解剖学やトリガーポイント等について学習し、臨床で生かせる解剖学の知識や、実践的な触診能力の向上を目指します。また、理療診療に活用される物理療法機器(各種の低周波鍼通電機器、電子温灸器等)や客観的評価機器(サーモグラフィ、筋硬度計、圧痛計等)の活用について学習します。 〇 東洋医学講座 東洋医学と西洋医学を統合した診療プロセスや、鍼灸マッサージ治療のエビデンスについて学習し、理論に基づいた治療の実践につなげます。 〇 臨床講座 附属臨床研修センターでは、地域の方を対象として、鍼灸手技療法の外来臨床を年間とおして実施しています。施術は研修科所属の教員が主に担当します。生徒は、基礎・応用の実習、内部患者を対象とした治療等を経験したのちに外来臨床を行っていきます。また、福岡県庁、ホテル、近隣自治体の健康福祉施設等において、校外臨床実習も定期的に行っています。 〇 自主研修 治療院や整骨院等で平日週1日程度の自主研修(アルバイト)をすることが可能です。校長が許可した場合は授業の出席として取扱います。教員が研修先を訪問し指導を行ったり、研修先での課題を臨床講座の授業の中で改善したりすることができ、就労の安定につなげることができます。 〇 選択科目(理療技術・経営 / 理療教育) 理療技術・経営では、手技を中心とした実技実習、治療院を開業する方法や経営ノウハウなどについて学びます。理療教育では、将来理療科教員を目指す方を対象に必要な資質と知識・技術についてサポートします。 ※実技の授業の中で、鍼灸・手技に関する技能評価を定期的に実施します。評価結果に基づいて課題となる部分を生徒職員で共有し、課題の改善に向けた指導内容を取り入れることで、スキルアップを支援していきます。 附属臨床研修センターの新型コロナウイルス感染防止対策について 〇 職員・生徒の検温、健康観察の徹底 〇 患者の体温測定(顔認証式非接触型体温計による体温管理) 〇 マスク着用の徹底 〇 手洗い、手指消毒の徹底 〇 授業中・施術中の換気の徹底 〇 患者数の制限(感染状況に合わせた段階的取組) 〇 施術所の環境整備(受付カウンターへの飛沫飛散防止フィルムの設置など) 等 (2) 充実した外部講師陣による高度な専門教育 現在10名の外部講師が授業を担当しています。大学教授、整形外科医、開業鍼灸師、スポーツトレーナー、公認心理師、ビジネスマナー講師など、様々な分野で活躍されている先生方から、臨床に役立つ実践的内容を学ぶことができます。また、大学等と連携したオンライン授業も定期的に実施しています。 〇 診断学 開業されている鍼灸師の先生から、病態把握の仕方や考え方について学びます。実技指導を交えたケーススタディ形式の授業で、身体の動きに伴って引き起こされる様々な症状を指標にして診断していくメソッド等を学びます。 〇 リハビリテーション医学 スポーツトレーナーやスポーツ分野に精通する鍼灸マッサージ師の先生からテーピングや運動学に基づいたアプローチ等、スポーツ領域にて応用できる治療方法を学びます。 〇 臨床応用実習 開業して活躍されている3名の鍼灸マッサージ師の先生から、経絡治療、太極療法、中国鍼法等の東洋医学的アプローチに関して、その理論と実践的な治療方法について学びます。 〇 臨床心理学(4月〜9月末) 臨床経験豊富な公認心理師から、心理学の基礎、カウンセリングマインド、理療診療に役立つ技法等について講義・演習をとおして学びます。 〇 ビジネス教養(10月〜2月末) 医療機関での指導実績が豊富なビジネスマナー講師から、基礎的・実践的なビジネスマナーや患者に対する接遇術について学びます。 ≪ 集中講義 ≫ 整形外科学、スポーツ鍼灸の授業について年1回実施します。 〇 整形外科学 スポーツ領域を専門とする整形外科医から最新の現代医学的診療プロセスとスポーツ外傷・障害への対応等について学びます。 〇 スポーツ鍼灸 高齢者にみられやすい運動器疾患やスポーツ障害・外傷に対するアプローチやセルフケアについて、その理論や実践的な治療方法について学びます。実習では主に低周波鍼通電療法(EAT)を行いますが、あマ指師の資格取得者は表面電極(TENS)を活用して実習に参加します。 ≪ オンライン授業 ≫ 筑波技術大学東西医学統合医療センターと本校をウェブ会議システムでつなぎ、低周波鍼通電療法等の講義・実習をオンライン形式で実施しています。同センターの医師、鍼灸マッサージ師、理学療法士の先生方から、最新の知見に基づいた実践的内容を学びます。 ≪ 学会・研修会等 ≫ 全日本鍼灸学会、現代医療鍼灸臨床研究会、卒後鍼灸手技研究会等の理療に関係する学会や研究会で示された最新の知見を授業に積極的に取り入れており、科学的根拠に基づいた治療の実践を目指しています。 ≪ 企業との連携 ≫ 理療の業界に関連する企業との連携を深め、最新トピックの情報提供、最新治療機器の紹介、各種セミナーや研修会の紹介等を積極的に行っています。また、障がい者雇用に関わる企業との連携では、県内のヘルスキーパーの雇用拡大に向けた連携にも取り組んでいます。 在校生の声 Q:研修科のおすすめポイントを教えてください。 A:外部講師の授業やオンライン授業などで、開業されている先生方や高名な先生方から直接指導を受けることが出来る事です。また、低周波鍼通電療法などの実技の練習に十分な時間を割くことができることです。 A:教科書(専門書)はOCR処理されたPDFのデータもいただけます。スクリーンリーダーに対応していて、音声を聞きながら学習できます。私は、拡大すれば少し画像が分かる弱視なので、タブレット端末にも入れて、画像を確認しています。これから就職して、治療する際にも、自主的な学習にしっかり使えるので、とても嬉しいことです。 Q:自主研修を経験して感じたことを教えてください。 A:理療科を卒業した頃は、仕事をしたい気持ちはあったけれど、不安の方が大きくてなかなか1歩を踏み出すことができませんでした。整骨院で自主研修に取り組む中で、自分が役にたつことが実感できてとても嬉しかったし、自信にもつながりました。 Q:理療科と研修科の違いは何だと感じましたか? A:理療科では、無事に免許を取得することが最優先でした。私は、臨床実習のことまで考える余裕があまりありませんでした。なので、実技に自信がもてないままでいました。研修科では、臨床に関する内容を主体的に学び、技術を向上させることが目標です。国家試験を気にせず、実技の練習に専念することができます。お陰様で、自分の治療に自信がもてるようになりました。 A:研修科では治療に直結することを沢山学ぶことができると感じました。例えば、棘下筋は三つの線維に分かれていることなどです。これを知っていて触診し治療するのと、知らずに治療するのでは効果が全然違って、こんなに詳しく、そして臨床に直結したことを学べるのは研修科だからこそだと思います。 Q:学びにつながったエピソードについて教えてください。 A:臨床解剖学についてです。理療科では、3年間、必死に勉強し続けてきたので、理療に関する知識は、充分あると思っていました。ですが、実際にはあまり意識していなかった筋や靭帯が、治療ではとっても重要だったことが多く、国家試験に応じた知識だけでは、良い治療はできないと痛感しました。この授業を通して、毎日、地道に勉強し、主体的に学び続けることが、自身の治療をより良くしていくための、大きなカギだと気づくことができました。 A:筑波技術大学とのオンライン授業で、附属東西医学統合医療センターの医師、理学療法士、鍼灸師による多職種カンファレンスに参加したことは得難い経験をさせていただいたと印象に残っています。鍼灸師だけでなく、医師や理学療法士の立場からの考えやアプローチを聴く中で、色々な視点で患者さんを診察・治療していくことの重要性を感じました。 A:一つ一つの筋肉の触診とトリガーポイントを学び、治療に取り入れていく中で、治療効果の高さを実感しました。これまでは、硬結や筋緊張を見つけて全体を施術していました。トリガーポイントを学んでからは、筋肉ごとにどこを施術すれば良いのかが分かり、スムーズに治療できるようになっています。 A:練習で行っていた椎間関節性腰痛に対しての低周波鍼通電を臨床実習で実践する中で、椎間関節へ的確に刺鍼できるようになりました。腰痛と臀部への放散痛があり、あえて臀部への施術は行わず、椎間関節のアプローチのみを行い、放散痛が改善しました。原因を考えて、根拠をもって治療し、評価していくことの大切さを実感しました。 A:ビジネス教養で、電話対応を習いました。ビジネスマナーを教わる機会がなかった私は、言葉遣いに気を遣うことが多く、スムーズに話すことが難しかったです。正しい敬語や、声のトーンなど、細かい部分まで指導してくださったので、とても勉強になりました。就職後は、施術だけでなく、電話対応などのビジネスマナーも必須になるので、働く前に習うことができて、安心しました。 A:応用実習では、問診をするなかで、症状だけでなく、生活習慣やストレスの有無などを尋ね、患者さんの全体をとらえて治療することを外部講師の先生から学びました。患者さんの全体をとらえられれば、治療方針も見えてくるため、施術中のコミュニケーションも大切にしています。 A:障がい者雇用のコンサルティングをしている民間企業で、社員の方々に肩こりに関するセルフケア指導を行い、ヘルスキーパーの啓発をしました。私は、女性社員2人に、ストレッチやツボ押しをする時のサポートを行いました。ヘルスキーパーの良さを知っていただくだけでも充分だと思っていましたが、視覚障がいに対する理解を深める活動もできたので、とても幸せでした。 A:これまでは、まだ学生という甘えがあったと思います。研修科では、先生のアドバイスはあるが治療する時は自分で触診し、話を聞き治療方針をたてて行う。以前のように、施術の型や順番などを気にせず治療できるようになりました。 (3) 情報コース  〇 理療学習支援講座 情報コースは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得を目指したカリキュラムで、専門基礎科目、専門科目からなっています。詳細については情報コースの教育課程を参照ください。 3 行事等 (1) 職場見学実習(年2回程度) (2) 九州大学での解剖見学実習(年1回) (3) 地域への奉仕活動 ※筑紫野市総合福祉センター主催のフェスティバ ルにおける理療奉仕活動 4 卒業生の進路先 1 就職(ヘルスキーパー、整骨院、医療機関、訪問マッサージ 等) 2 施術所開設 3 進学(筑波大学理療科教員養成施設等) < 令和3年度の進路実績 > 卒業生6名 就職率100%!! 整骨院4名 高齢者施設1名 訪問マッサージ1名 < 本校へのアクセス > 〇 西鉄電車天神大牟田線 「朝倉街道」駅下車。「朝倉街道」バス停から、西鉄バス(甘木方面行き・普通)乗車。 「視覚特別支援学校前」下車、徒歩5分 〇 JR鹿児島本線 「二日市」駅下車。「JR二日市」バス停から、西鉄バス(甘木方面行き・普通)乗車 「視覚特別支援学校前」下車、徒歩5分 〇 西鉄バス 「博多バスターミナル2F」より甘木営業所行き(400番)乗車。 「視覚特別支援学校前」下車、徒歩5分 〇 九州自動車道 「筑紫野」ICから県道112号線を甘木方面へ車で8分。 「視覚特別支援学校入口」信号を左折後、すぐ。 【 研修科入学案内 】 1 学校案内及び願書資料請求の際は、必ず返信用切手210円を同封してください。 2 入学に際して、産業理療コース・再研修コースでは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかの免許を取得していることが必須となります。なお、令和5年3月の国家資格取得見込者も対象となります。情報コースについては、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかの国家試験受験資格を有する者、又は令和5年3月に所定の学科を卒業し、国家試験受験資格を取得見込の者が対象となります。 3 産業理療コース・再研修コースでは、承認を受けた場合、自主研修として特定の履修方法により働きながら研修を行うことができます。 4 卒業後の資格として、公益財団法人東洋療法研修試験財団の生涯研修修了証書が付与されます。(産業理療コース・再研修コースのみ) 5 給食費、校納金等は必要ですが、就学奨励費が家庭の所得に応じて支給されます。但し、教科書代については全員支給されます。 【 入学者募集要項について 】 令和5年度の入学者募集要項は12月中旬頃に配布予定です。入学を希望される方は、必ず入学者募集要項を確認の上、受検手続を行ってください。 【 教育相談について 】 入学に関する相談は随時受付けています。様々な事情で来校が難しい場合はオンラインによる教育相談も行っています。教育相談は予約制となりますので、希望される場合は日程調整のお電話をお願いします。 < お問合せ先 > 電話:092-925-3053 担当者:塚本(専攻科研修科主任)